占い 自己認識:自分の収集傾向を理解する

占いの基礎

占いアイテムを集めることが悪いわけではありません。しかし、収集がどこまで健全な趣味で、どこから依存に近い状態なのかを見極めるには、自分自身の行動や考え方を客観的に振り返る「自己認識」がとても大切です。

まず意識していただきたいのが、「なぜ自分はこれを集めているのか?」という問いです。たとえば、「このパワーストーンは色が綺麗だから欲しい」と思うのと、「これがないと不安だから手に入れたい」と思うのとでは、動機がまったく異なります。前者は趣味としての収集ですが、後者は不安の解消や依存の可能性を含んでいます。

また、「買ったあと、実際に活用しているか?」もチェックポイントになります。多くの占いアイテムは使ってこそ意味があります。タロットカードなら実際にカードを引いて読み解く、パワーストーンなら定期的に浄化してエネルギーを感じる、といった行動がともなうべきです。しかし、「買って満足してしまって放置」「どこに置いたかわからない」といった状態が多いなら、それは“収集欲”が強くなっているサインです。

次に、自分が「どんなときに占いアイテムを買ってしまうか」を振り返ってみましょう。たとえば、仕事で失敗した日、恋愛で悩んでいるとき、将来が不安なときなど、心が揺れているタイミングで買い物をする傾向があれば、それは感情の起伏に影響されている証拠です。このようなパターンを理解することで、「また不安から買おうとしているかもしれない」と気づけるようになります。

実際にあった事例では、ある男性が毎月のように新しいお守りを買っていたのですが、よくよく振り返ってみると、「仕事で怒られたとき」「不安な会議の前」などに限って購入していたことが分かりました。そのことに気づいた彼は、アイテムに頼るのではなく、気分転換やメモでの振り返りなど、自分なりのストレス対処法を見つけることで、購入頻度が自然と減っていったそうです。

さらに、「他人の目を意識していないか」も重要なポイントです。SNSで「こんな珍しいタロットカードを買いました」「レアな石をゲットしました」と投稿することが目的化しているとしたら、それは自分の心を満たすよりも“他人に見せたい”気持ちが強くなっているかもしれません。他人の評価を得るための収集は、満たされることが少なく、次々と新しいものを欲しがる結果になりがちです。

こうした自己認識を高めるためには、収集の記録をつけてみるのもおすすめです。いつ、何を、なぜ購入したのかを簡単にメモしておくと、自分の行動パターンが可視化されて、冷静に振り返ることができます。日記のように気持ちを添えて書くことで、「本当に必要だったのか?」「別の方法で気持ちを落ち着けられなかったか?」といった視点も持てるようになります。

占いやスピリチュアルなアイテムは、本来、自分の内面と向き合い、前向きに生きるためのサポート役です。そのサポートを上手に活用するためには、自分自身の心の動きや行動傾向を理解することが大前提になります。自分をよく知ることこそが、占いアイテムと健全につきあう最大の鍵なのです。

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